「虫くいの葉っぱ」

朝から森に入っています。いつもならクマゲラの鳴き声やエゾリス、コガラやシマエナガといった小鳥たちが出迎えてくれるのですが、今日はどうしたのか留守のようです。しばらく森を歩いているうちにお昼になってしましました。どうりでお腹がへる訳です。すっかりお気に入りとなったエゾマツの倒木に腰をおろしてお弁当にしました。お腹もいっぱいになり、「ぼけ〜」っとした時間を楽しみます。森での時間はゆっくりと流れてゆきます。ふと一枚の葉っぱが目にとまりました。それは虫に食われて穴のあいた葉っぱ。まわりには形の整った葉っぱがたくさんあるのだけれど、この「虫くいの葉っぱ」。気になってしかたありません。被写体としても興味あるようなものでもないのに、なぜだろう?...と、このきたない「虫くいの葉っぱ」のまわりを「葉っぱ」を見ながらぐるぐると回ってみます。そるとどうでしょう、はじめに見ていたちょうど反対側にいったとき、魅力のなかった葉っぱが光に透けて輝きだしたのです。しかもこっち側からは、「虫にくわれている」ことが、他の葉っぱたちよりも魅力的なのです。物の見方は、ほんの少しこちらが動くだけで変わっていくものなのですね。日常のいやな出来事やそういった事もそうなのかもしれません。きょうは、「虫くいの葉っぱ」に、なにか教わったような気がします。気が付くと僕のまわりに、いつものように小鳥たちが遊んでいました。